ワンちゃんとの暮らしで気を付けていただきたい予防や病気についてや、ワンちゃんとの楽しい暮らしが続くために必要なことをお伝えしています。
年齢ごとに気をつけたい暮らしの情報については
「6歳までのワンちゃん」、「7~9歳のワンちゃん」、「10歳以上のワンちゃん」の各ページをご覧ください。
仔犬をお家に迎えたら
仔犬の時期は、これからの生活を左右するとても大切な時期です。
この時期に適切な健康管理の習慣をもつことと、様々な経験をさせて適応能力をつけることが、家族として、また社会の一員として幸せに暮らすために必要です。
時期 | 実施していただきたいこと |
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2か月前後 |
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2~4ヶ月 |
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4ヶ月前後 |
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4~5ヶ月 |
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6カ月~ |
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~12か月 |
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1歳~ |
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社会化期に『パピークラス』への参加をお勧めします
生後3週間から14週間までをピークとし、1歳までの間は、ワンちゃんと人間の社会的なルールを学ぶための大切な時期です。幼いころの生活環境はワンちゃんの性格に大きく影響を与えます。 この時期にしつけをしっかり行い、飼い主さんとの絆を深くする事で、立派な大人のワンちゃんになる事ができます。 人間社会のルールも身につけることが人と生活するうえで大切なことです。
当院では家庭犬しつけインス卜ラクターと一緒に、楽しく効果的なレッスンを行い、ワンちゃんとの穏かで楽しい暮らしを送るためのお手伝いをさせていただきます。家族以外の人に触れてもらう事で、色々な刺激を受け学習をしたり、病院でパピークラスを受講することで、病院に慣れ、来院がスムーズになります。また、ワンちゃん同士の遊びを通して、コミュ二ケ一ションを学んだり、人間社会のルールも身につけることが人と生活するうえで大切なことです。
お手入れ習慣を身につけましょう
歯磨き・シャンプー・爪切り・耳のお掃除など常に清潔に保つことで様々な病気を防ぐことができます。 また、お手入れに慣れていると治療もスムーズに進みます。ご自宅で難しい場合は診察時にご相談ください。
歯磨き

美味しくご飯を食べるためにも、お口のケアは定期的に行いましょう。
爪切り

爪が長くなると肉球を傷つけることもあります。定期的に爪切りを行いましょう。
足周りのカット

お家がフローリングの場合は滑ってしまうこともあります。定期的に肢周りの毛を短くしましょう。
肛門腺絞り

肛門にある臭いにおいの元になる分泌液を定期的に出してあげましょう。
耳そうじ

定期的に耳の中をキレイにしてあげましょう。外耳炎などの病気を防ぐことができます。
基本となる予防を継続的に行いましょう
1.狂犬病予防接種

ワンちゃんだけでなく、ほぼ全ての哺乳動物が感染する病気です。狂犬病にかかった動物に噛まれることにより感染し、発症すると100%死にいたる恐ろしい伝染病です。ただし、ワクチン接種によって予防が可能なのです。これはヒト以外の哺乳動物でも同様であり、そのため日本では狂犬病予防法によってワンちゃんの登録と生後90日を越えたワンちゃんへの年1回のワクチン接種が義務付けられています。狂犬病の予防注射は狂犬病蔓延を防ぐための飼主様の義務でもあります。
毎年3~4月頃よりご自宅に狂犬病注射のハガキが届きますので、ご持参ください。
2.ワクチン接種

当院では5種及び7種類の病気を予防できるワクチンをお勧めしています。特にお外で飼われていたり、お散歩が好きなワンちゃんは感染する病気の数も多くなります。しっかりと予防してあげてください。
0歳の頃は合計で3回、1歳以降は毎年1回の接種が必要です。
3.フィラリア予防

春になり温かくなると蚊が出てきます。フィラリア症は蚊が媒介して起こる病気ですが100%予防できる病気でもあります。フィラリア予防には血液検査でフィラリアに感染していないことを確かめてから、フィラリア予防を始めていきます。この地域では4月末から12月の計9回の予防が必要です。
【フィラリア検査時に健康診断も一緒に行いましょう】
また、当院ではフィラリアの検査の際に同時に行える健康診断をお勧めしております。
せっかく痛い思いをして採血するので、一緒に実施してあげてください。
4.ノミ・ダニ予防

ワンちゃんにノミ・ダニが寄生すると皮膚炎や病気を引き起こします。
また、ワンちゃんに付いたノミやダニは飼主様を刺すこともあり、人にも感染する人と動物の共通感染症を引き起こします。ここ数年で感染が確認されており人の死亡例もあるSFTSなどもその1つです。
またノミが媒介するお腹に寄生する瓜実条虫やダニが媒介するリケッチアウイルスなどがあります。
年2回以上の健康診断を行いましょう
1.血液検査

健康診断の基本となる検査です。肝臓・腎臓などの内臓機能の状態や、コレステロール値、糖尿病の状態など様々な健康状態を調べることができます。
6歳程度までは年1回、7歳を超えてくると年2回以上の検査をお勧めしています。
2.画像診断(レントゲン検査・エコー検査など)

血液検査だけでは分からない身体の状態を詳しく調べることができます。
特に当院で専門的に行っている循環器の診療ではエコー検査などを用いて、心臓などの循環器の病気の早期発見などにも取組んでいます。
3.尿検査

尿検査では、腎臓機能、糖尿病の状態、結晶の有無についても調べることができます。ワンちゃんの健康状態を知る、最も簡単な方法ともいえます。
尿検査を行う際はできる限り新鮮な尿が必要です。病院へお持ちいただく際は直前に採れた尿をご持参ください。
4.便検査

便検査では、消化器系の状態、細菌バランスや寄生虫の有無などを調べることができます。
便の見た目をチェックし、色・臭い・形状を調べたり、顕微鏡で詳細に調べることもあります。
尿検査と同じように簡単にワンちゃんの健康状態を知ることができる検査です。
5.その他の検査

その他にも、心電図検査、内視鏡検査、歯科の検診、眼科の検診、皮膚の健診など、目的に応じた様々な健診を行っております。当院には循環器、腫瘍、整形外科など専門的な知識を有する獣医師も在籍していますので、ワンちゃんの症状などによって最適な検査もご提案させていただきます。
不妊手術について
将来的に子供を作る予定が無い場合には、将来発生する病気のリスクを軽減することを目的として、早い時期の不妊手術をお勧めしています。
メリット
避妊手術 (女の子) |
① 特有の行動の減少 発情時特有の神経質な状態や鳴き声の減少、出血がなくなります。 ② 病気の予防(乳腺腫瘍・子宮蓄膿症) ワンちゃんの乳腺腫瘍の発症率は人の3倍と言われています。初回発情前の避妊手術で乳腺腫瘍の発生率が0.05%になります。またその次の発情までの手術で8%となります。 |
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去勢手術 (男の子) |
① 縄張り意識の減少 マーキングやマウンティング、攻撃性の減少が期待できます。 ② 病気の予防(精巣腫瘍・前立腺肥大) 特に前立腺肥大症は、去勢していないワンちゃんが7歳以降に多い病気です。 |
デメリット
共通 | エネルギー代謝が落ち太り易くなります。 ・手術前に比べ、20~30%もエネルギー代謝が落ちるといわれています。 ・食事や運動といった管理で体重を維持することが必要になります。 |
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手術のタイミングについて
避妊手術 (女の子) |
生後6ヶ月程度で手術を行います。 |
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去勢手術 (男の子) |
生後6ヶ月程度で手術を行います。 |
食事の管理
ワンちゃんにとって喜びの一つが食事の時間です。とはいえ、飼い主様が食べさせたいものを与えるのではなく、ワンちゃんにとって最適な食事を与えられるようにしていきましょう。
1.ペットフードの選び方
- ・良質な原料から作られている
- ・必要な栄養素が適正に含まれている
- ・成長期、成犬期、高齢期それぞれのライフステージに合わせた選択
2.購入と保存
- ・製造年月日が新しく、開封後2週間~1ヶ月で使い切れる量を購入
※ドックフード内に含まれている油脂は空気に触れることで変質します。 変質した油脂を含む食事を与えると、体調不良等の原因となります。
その為、できるだけ1カ月以内に使い切れる量をその都度購入するようにしてください。 - ・1カ月以上保存する場合は1~2日分ごとに小分けにして冷凍保存または冷蔵
※冷蔵庫からの出し入れが多いと、袋の中が結露し、それによってカビが発生する原因となります。
難しい場合には、冷暗所で保存することで、品質の低下を抑えることができます。 - ・缶フードは開封後3日以内に使い切る(小分けにして冷凍保存で約2週間保存可)
3.与え方の基本
- ・ベストな体重を維持できる適正な量を知る(フードの袋に書いてある場合もある)。
- ・一日の適正量を数回に分けて与える。
- ・新しい食事に切り替える場合は、1週間を目安にこれまでのフードに少量ずつ、日を追うごとに量を増やして切り替えをしていく。
- ・新鮮な水を用意しておく。
- ・間食はさせない(結果的に食べる量が増えてしまい、肥満の原因になる)。
パピークラス